Runner in the High

技術のことをかくこころみ

GPD Pocket Ubuntu版が届いた

 IndieGoGoでUbuntu版をbackしていたのがとうとう届いた。Windows版は「もう届いた」「小さくて最高」みたいなツイートやブログエントリーがネット上でちらほらと散見されたのにもかかわらず、Ubuntu版は随分時間がかかっているんだなと思い若干本当に届くのか疑っていたが、とりあえず届いたのでひと安心した。GPDのロゴが散りばめられた非常にそれっぽい梱包でなかなかどうして悪くない。 f:id:IzumiSy:20170822101209j:plain

 Ubuntu版も箱自体はWindows版のものとさほど変わらないようだ。若干裏側の板の貼り付けが雑だが、それもそれで味があるというものだ。それにしてもGPDのロゴはかわいい。黒い箱にゴールドという配色に高級感を感じさせようという努力を感じる。 f:id:IzumiSy:20170822101619j:plain

 クリスマスプレゼントをもらったこどものように箱を開封して、さっそく端末のセットアップを始める。確か公式のアップデートでは、マウスコントローラのラバーにはいくつか交換できるものが同梱されるとかなんとか言っていたような気がするが、入っていなかった。なくてもさほど困るものではないのでいいとしよう。
 IndieGoGo上のアップデートでUbuntu版のデモをみたとき、あまりにもディスプレイの解像度が高すぎて、もしかしたら文字が読めないかもしれないと心配したが、まだ20代の僕にはどうにか読めるレベルで安心した。僕は小学生のころからPC漬けの毎日を過ごしていながら、いまだに両目とも1.5という比較的恵まれた眼を持っている。これに関しては両親に感謝するばかりだ。結局のところ、僕にはこれくらいの解像度のほうが丁度よい。 f:id:IzumiSy:20170822103841j:plain

不具合対応

 やはりというか、もともと予想していたとおり様々な不具合に遭遇した。基本的にはディスプレイ周りの不具合が多く、解決にはUbuntuに関するある程度の知識(たとえばログイン・マネージャがlightdmと呼ばれるものであると知っている、など)が必要になったので、確かに全くLinuxを知らない、という人にとっては優しい製品ではなかった。かと言って僕自身もそんなに詳しいわけでもないが、この21世紀の今、ある程度の情報であればGoogleの大いなるチカラを使ってどうにか見つけ出すことができる。また、GPD Pocket Windows版にわざわざLinuxディストリビューションを入れる世界中の酔狂なひとたちも、様々な情報をネット上で提供してくれているので、彼らの奉仕精神に感謝することにしよう。

不具合レスキューQ&A

  • 起動時のコンソールが横向きになってしまっている

 起動時にブートログが流れるが、それが横になってしまっている。これを治すためにはGRUBの設定ファイルからGRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULTのオプションを見つけ出し、そこへfbcon=rotate:1を追記する。もし設定ファイルを見つけ出せなければ、Grub Customizerなどを使ってもよい。ネットの他のブログエントリーにはこのオプションに加えてnomodesetも追記しているものを見かけるが、僕の場合は追記すると、ログイン後デスクトップのローテーションが効かなくなったため、ここでは勧めないことにする。

  • ログイン画面も横になってしまっている

 GPD Pocketで使われているログイン画面の設定を変更するには、ログイン・マネージャーであるlightdmに関するコンフィギュレーションを弄らねばならない。この不具合に対する最も簡単な解決策は~/.config/monitors.xml/var/lib/lightdm/.config以下にコピーすることだ。おそらくではあるが、この設定を行う前にはGPD側から配布されているUbuntu版の不具合解決に関するPDFを参照のこと、ログイン後のデスクトップをしっかりと正しいローテーションに変更する必要がある。
(参考)https://askubuntu.com/questions/408302/rotated-monitor-login-screen-needs-rotation

  • Unity Dashがおかしい

 Unity DashというのはデフォルトでUbuntuのUnityデスクトップに搭載されているアプリケーション/ファイルの横断検索機能のようなものだ。Macを使ったことがある人ならば、内臓機能のSpotlightやAlfredなどのアプリケーションを思い浮かべるだろう。僕はデスクトップでもUnityを大活用しているため、スーパーキーひとつで起動できるこの検索機能はとてもお気に入りだ。
 しかしながら、デフォルトではGPD PocketのUnity Dashはモードがデスクトップ用になっていないため、下記のようなシルエットになっており、あまりうれしくない。下の写真はネットから拾ってきたものだが、まさにこんな感じになる。 f:id:IzumiSy:20170822170015p:plain  これは実際には不具合ではなく、おそらくただのありがた迷惑だ。GPD Pocket自体はNetbook扱いなので、GPDは端末をNetbookとしてUbuntuのカスタマイズを行ったのではないかと考えられる。僕の場合はターミナルから以下のコマンドを実行して設定をデスクトップのものに戻した。

gsettings set com.canonical.Unity form-factor ‘Desktop’

(参考)https://ubuntuhut.wordpress.com/2014/10/02/change-unity-dash-overlay-size-in-ubuntu/

そのほか

 RedditでもLinuxをGPD Pocketでちゃんと動かそうと頑張っているひとたちがいて、Linux on GPD Pocketというスレを中心に活発な(?)議論が行われている。そうしたかいもあってか、親切なひとがgpd-pocket-ubuntu-respinというWindows版へのUbuntuのインストールの不具合も含めたさまざまなLinux on GPD Pocketのための応急処置の詰め合わせのようなリポジトリを公開している。たとえば僕の場合は、ログイン画面のローテーションがおかしい問題の解決にこのリポジトリを参考にした。おそらくGPD Pocketを手にする人々というのは、一般的にはアーリーアダプター、すなわち人柱的存在であるが、それでもこうした集合知の助けを借りられるというのは十二分に心強い。

さいごに

 ここまで長ったらしく不具合がどうのこうのと書いてきたが、端末自体は全く満足のいくもので、ひさしぶりにいい買い物をしたと思う。過去にNECから販売されていたLifetouch NOTEというクラムシェル型Android端末にも手を出したが、最終的にはあれ自体はあまり使い物にはならない端末だった。けれど、GPD PocketはAndroidではなくちゃんとしたLinuxで、無茶なハックをせずともvimを動かしたり、コーディングをすることができる。性能の差も大きい。予てからこのような端末を待っていただけに、手にしたこの喜びはひとしおだ。